小説は何処から来たか【21st Century Edition】
¥3,960 税込
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後藤明生『小説は何処から来たか【21st Century Edition】』
以下、出版社より
「なぜ小説を書くのか? それは小説を読んだからだ」——。独自の小説論を提唱し実践してきた小説家・後藤明生が、過去に発表した原稿を自らの手で「REMIX=再編集」し、日本近代文学史の書き直しに挑んだ小説論の集大成。二葉亭四迷→日本文学とロシア文学→夏目漱石→芥川龍之介→永井荷風→宇野浩二→牧野信一→横光利一→太宰治→花田清輝→武田泰淳→鮎川信夫→丸谷才一→古井由吉……。巻末には著者が自ら編纂した「世界小説年表」を掲載。小説の未来は小説の過去にある!?
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【もくじ】
プロローグ——柄谷行人の『日本近代文学の起源』と『反小説論』
第1章?日本近代小説の夢と現実——二葉亭四迷
第2章?喜劇としての近代——日本文学とロシア文学
第3章?二十世紀小説としての新しさ——夏目漱石
第4章?方法としてのテキスト——芥川龍之介
第5章?「生理学」の方法——永井荷風
第6章?「都市小説」の構造——宇野浩二と永井荷風
第7章?夢のプログラム——宇野浩二と牧野信一
第8章?自意識の喜劇——横光利一
第9章?反復と引用のエクリチュール——太宰治
第10章?超ジャンルと楕円Ⅰ——花田清輝
第11章?超ジャンルと楕円Ⅱ——武田泰淳
第12章?文体的思考——鮎川信夫
第13章?フィクションの変奏——丸谷才一
第14章?「戦中少年」の体験と方法——古井由吉
第15章?ジャンルと形式の起源Ⅰ
第16章?ジャンルと形式の起源Ⅱ
世界小説年表
あとがき
新版解説?樫原辰郎(映画監督・評論家)
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【まえがき】
小説は何処へ行くか、と問われるときは、小説の危機か衰弱か、相場は大体決まっている。そしてその問いは、小説は何処から来たか、という問いとほぼ同じである。衰弱した小説とは、小説は何処から来たか、というジャンルとしての自己反省を忘れた小説だからである。また、混血=分裂による超ジャンル性、すなわち「いかがわしさ」の自意識を忘れた小説だからである。つまり、小説の未来は小説の過去にある。「われわれは皆ゴーゴリの『外套』から出て来た」とドストエフスキーはいった。衰弱した小説は『外套』を持たぬ小説である。——(本書「プロローグ」より)
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