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セザンヌの犬 / 古谷利裕
¥1,980
以下、版元より いくつものときとばしょが 生きものや物たちのもとで折りたたまれてはひらかれ だれもしらない思弁的な時空間が この体のなかに降りてくる 画家・評論家など多方面で活躍する著者が「自分のすべてがここに入っている」と語る、小説の新たな可能性を示す驚くべき初小説集。 連続講座、展覧会の開催にあわせ、ついに刊行。 『群像』『早稲田文学』『ことばと』などで発表された作品に、書き下ろしを加えた計7作品を収録。
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雲煙模糊漫画集 居心地のわるい泡
¥2,200
平田基『雲煙模糊漫画集 居心地のわるい泡』さりげなく、2022年 京都の出版社、さりげなくより新刊です。毎回スタイルもジャンルも違う本を出版されるので、今回はどんなのが届くのだろうと待ち遠しかったのですが、函入りの漫画が届きました。それも画家による、鉛筆画の。 森が信号待ちをしていたり、石で石を買って食べたり、不思議な話が詰まっているように見えるが、どこかリアリティがあるように思える。それは私たちの生きる現実に通じるものがある、という程度ではなく、どこか詩情をたたえていて、するりとこちらに忍び込んでくる。それはこちらの顔を見ず隣り合う人が、一人語るよもやま話を聞いているかのようでもある。親しげで、硬質。背景も人物も、同一の材料、つまり黒鉛で描かれるからだろうか。 「あなたが今朝お飲みになった水を構成する水素と酸素はかつて/よその国をこえた海であり/はるか昔にトマトをぬらした夜露であり/誰かの唾液だったかもしれない」 漫画を構成する紙も、鉛筆の線も、物語の内容も、いつか私と一体になるのかもしれないし、かつて自分の一部だったのかもしれない。長い長い時間に思いを馳せる事ができる作品である。 以下、版元より 鉛筆で描かれる、線、線、線。 生き物のはなし、人間の営み、 どこか別の世界線か私たちと同じ地平線か。 ? 14編の物語と散文。 著者 平田基 装丁 浦川彰太 編集 稲垣佳乃子 印刷 藤原印刷 発行 さりげなく 2022年10月1日 発行 価格 2000円(税別)
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アンソロジー 非実在神様
¥1,320
SOLD OUT
アンソロジー 非実在神様 以下、版元より 八つの神様、八つの祈り。 カバー有/オビ付き 御札デザインのシール付属 犬山 昇「デュッセルドルフの神さま」 水子おばさんの部屋は、水際の最下層にある。ひび割れが目立つ築四十年のアパートは、入口が四階にある。彼女以外に住人の気配はないし、他の部屋はすべて硝子窓が黒のテープで覆われている。目の前はリゾート再開発に失敗した湖で、最寄りのJR駅から五キロ歩いたところに、その湖上アパートの入口はある。 大木芙沙子「お正月さん」 そのひとは、私たちが遊んでいるところへある年ふらっとやってきた。仏間は大人たちがお酒を飲んでいる居間から便所へ通じる廊下の途中にあったから、便所へいくついでに私たちの姿を確認していく大人はいたけれど、そのひとは居間とは逆方向の廊下から歩いてきて、「おじゃまするね」とふすまを開けて、後ろ手でそれを閉めると、すとん、とその場に胡坐をかいた。 尾八原ジュージ「おまよい様の住む家は」 おまよい様を見た。黒い子どもの影のようなものが古地川さんの家の門から出てきたと思ったら、ぴゅんと走って角を曲がった。わたしはとっさに追いかけた。遅れて曲がった角の先に、その姿はもうなかった。 木古おうみ「虚渡しの日」 虚渡しの神が現れる期間はほぼ五十年毎だ。直近で現れたのは二十一年前だから、後三十年近くは安全だ。出たとしても、神に遭遇する確率は飛行機事故より遥かに低い。 紅坂 紫「高峰」 その日、高峰は月見団子をふたつ買ってきた。島で唯一の和菓子屋の名が入ったビニール袋を揺らして、土間に立ったままわたしを呼んだ。気分が良かったのだろう。デジタルノイズのような顔を色とりどりに変えながら大きな声で笑っていた。 鮭とば子「たいか様」 たいか様。その漢字には複数の説があるけれど、大抵は『大禍』と『対価』が選ばれる。「大禍を呑めば対価を与える神様」ということがわかりやすいからだ。 瀬戸千歳「生まれたばかりの泉」 死者に会える泉のうわさを耳にしたことはあったけれど、それにまつわるアルバイトがあるとは思ってなかったし、まさか受かるとも思っていなかった。どれくらいの倍率かは知らないけれど受かったのは僕だけだった。 橋本ライドン「らぶらぶ様」 まったく 信じる力はおそろしい。 装幀:瀬戸千歳
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架空線/澤直哉
¥2,200
講義とエッセイからなる一冊。本という具体的な存在を原理的に考え、そこから必然的に立ち上がる文章、という印象です。私は雪の中を傘もささずぶつぶつ呟きながら歩いているシーンが好きです。 以下、版元より 今、これほど澄みきった声で本を、詩を、語ることのできる人がいるだろうか。 若きロシア文学者による渾身の散文集。 本も詩も、降って生るのを寝て待つのでなく、立ち上がり、足で強く地を蹴って、空を切るように手を伸ばし、架空を束の間摑んで作られる。だから人の心をかくも狂わせ、慄わせ、高鳴らせる。──本書「跋」より 装丁 港の人装本室 ■内容 「本をめぐる こころの ことばの 形にふれる」 文芸科の学生たちへ向けた講義をもとにした文章。戸田ツトムらブックデザイナーや文学者たちの言葉を引用しながら「人のこころのあり方」「ことばとは何か」に遡って、私たちの生と死の姿としての書物を考える。 「発生へ」 ある少年と交わした会話をきっかけに、心に湧き上がる数々の思い出や詩人たちの横顔をつづる。詩のことばの響きを基調低音に、生命の内奥へと歩みを進める書きおろしエッセイ。 および無題の詩1篇 ■著者 澤直哉(さわ・なおや) 1987年、ドイツ連邦共和国ハノーファー生れ。北海道に育つ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、修士(ロシア文学)。早稲田大学非常勤講師。 単著に『花を釘となす人 菊地信義に』(via wwalnuts、2015)、共著に『言語と美術 平出隆と美術家たち』展図録(発行:DIC川村記念美術館、販売:港の人、2018)、編著・設計に《平出隆最終講義゠展[Air Language program]》図録(多摩美術大学、2020)。 論攷に「線の倫理のために 河出文庫における戸田ツトム」(『ユリイカ』1月臨時増刊号〈総特集 戸田ツトム 1951–2020〉、2020)、「「盗まれた大気」への亡命 ナターリヤ・ゴルバネフスカヤの「長いお別れ」」(『総合社会科学研究』第4集4号、2022)、「〈等しさ〉の詩学 O・マンデリシターム「アレクサンドル・ゲルツォヴィチというひとが…」の反転・回転・転移」(同前、第4集5号、2023)他。
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顔たち、犬たち/オカワダアキナ
¥1,200
オカワダアキナさんの小説がまとめて入荷しました!こちらは最新作ですが、過去作も店頭に並んでいます。ぜひ合わせてお楽しみいただければ。装画の谷脇クリタさんによる証明写真風のイラストのおまけつきです! 以下、著者より 表紙の男と目が合う。いや合うようで合わない? 彼がどこを見ているのかわからないし、表情も読み取りにくい。 真顔にも悲しそうにも恥ずかしそうにも見える。 あなたは(わたしは)人の顔に勝手に何かを見出す。 ずるい男のずるい話、男性性の呪いについて。 女性と結婚しているけど男性とセックスする男性、ゲイの男性、トランスジェンダー男性。 男の人たちの三角関係というか三人交際というか、性的なふれあいを通じて表紙の彼に友だちができるみたいなお話です。 性的なふれあいがなければ友だちを作れない男の話ともいえるかも。 『イサド住み』と関連作ですがあんまり続き物にはなっていません。 装画:谷脇栗太(犬と街灯)
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イサド住み/オカワダアキナ
¥1,000
オカワダアキナさんの小説がまとめて入荷しました!こちらは『顔たち、犬たち』に先行する作品。過去作も店頭に揃っておりますので合わせてお楽しみいただければ。 以下、著者より。 トランスジェンダー男性が主人公の小説。 言いたいことが言葉になる前の、唸りや遠吠えを書こうと思いました。 吹き荒れるトランス差別に苦しい思いをしており、明るいフィクションを増やしたかった。 とびきりクィアなボーイズラブです。 イサドというのは宮沢賢治の『やまなし』に出てくる言葉。 蟹のお父さんが子どもたちに「もうねろねろ。遅いぞ、あしたイサドへ連れて行かんぞ」と言います。 イサドが地名なのか何なのか読んでいる人にはわからないのですが、この蟹たちにはよくわかっていて、きっと素敵な場所なのだろうと思います。
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大人ごはん 5号
¥1,320
「食」を通じて日常のストーリーを描き出す雑誌・第5弾
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庄野潤三「五人の男」オマージュアンソロジー 任意の五
¥1,500
庄野潤三「五人の男」という短編をもとに、それぞれが文芸作品を寄せたアンソロジー。私深澤も寄稿しておりますが、参加された皆様の持ち味や発想により、すごく幅の広い作品集になっているので、「五人の男」を読まなくとも楽しめます。 責任編集のオカワダアキナさんの巻頭言は、以下のように締め括られます。「素朴で平易な語りの中に、終戦を経た男たちの父性、男性性を見つけることができるように思います。生存のとまどいであったり、語ることの照れやためらいであったり。 本アンソロジーは、「五人の男」から想起したものをそれぞれ自由に書きました。父性や男性性を問い直す作品集です。一緒に考えましょう。」 オカワダさんが大切にしてきたテーマと「五人の男」という短編が出会うことでしか生まれえない一作です。 以下、版元より 庄野潤三「五人の男」から想起したものを自由に表現した文芸アンソロジー。小説、論考、日記、俳句など。 男性性、クィア、プロテストに関心のある方におすすめです。 原著を読んでいない方も楽しめる本だと思います。 [目次] 板垣真任「大合唱」 我那覇剛柔丸「波の五分(ごぶ)」 晋太郎「ペンタクル・サークル」 深澤元(つまずく本屋 ホォル) 「読書メモ「五人の男」はなぜこの順番で並んでいるのか 」 宮月中「五人と鳥」 星野いのり「月の壜」 添嶋譲/宮崎竣輔「Profiles」 まさと(まなざしのフェミニズム)「男たちと別れ—からかいの男性性—」 兼町ワニ太「動物園日誌」 隙間「うつわ日記」 暴力と破滅の運び手「悪魔の抱擁」 オカワダアキナ「ホーン・ホーン・ホーン」 瀬戸千歳「まんまるくてかわいいおばけ」 [本文より(前書き)] 庄野潤三「五人の男」は、五人の男性について語ったスケッチ的な短編です。 隣の下宿の男、バスで見かけた男、父の友人、父の親しい友人、雑誌の記事で読んだ男。五人の男性につながりはなく、エピソードは並列に並べられ、あまり脈絡もなさそうに読める小説です。 なぜ並列に語ろうとしたのか。そのようにして語りたいこととは何か。 素朴で平易な語りの中に、終戦を経た男たちの父性、男性性を見つけることができるように思います。生存のとまどいであったり、語ることの照れやためらいであったり。 本アンソロジーは、「五人の男」から想起したものをそれぞれ自由に書きました。父性や男性性を問い直す作品集です。一緒に考えましょう。
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砕氷船『詩IA』
¥1,650
歌人・榊原紘、俳人・斉藤志歩、川柳人・暮田真名による短詩集団「砕氷船」、初の本。それぞれの作品、鑑賞、エッセイ、座談会を収録した54ページ。座談会はそれぞれの詩形の特徴や現在置かれている状況、各人の関心などさまざまなトピックが読めてたいへんお得です。デザインは小出和明、装画はしまむらひかり。
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小説紊乱
¥2,200
以下、版元より 小説の可能性を模索するべく立ち上げられた出版レーベルffeen pub(フィーン・パプ)から刊行される一冊目の書籍。作品の強度を軸に、ジャンル不問で三十編の小説が収録されています。掌編から中編まで。純文学・SF・ホラー・etc…。無名の新人から芥川賞作家まで。小説観を揺さぶる未知の読書体験をぜひ。 総374ページ 刊行 : ffeen pub 編集 : 嶌山景 装画 : 樋口絢女「向日葵」 デザイン・挿絵 : 二宮杏樹
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翻訳編吟14
¥550
SOLD OUT
翻訳編吟14 弊店でもお馴染みになってまいりました翻訳同人誌「翻訳編吟」。今回で一旦ひと区切り、最終号となるようです。お買い逃しなく! 発送にお時間をいただくことがございます。5月22日以降順次発送予定です。 目次 ジョージ・マクドナルド「灰色狼」 M・P・デア「尼僧の悲劇」 トマス・バーク「村外れのパブ」 トマス・ベイリー・オルドリッチ「ポンカポグの新しいお隣さん」 ルーシー・モード・モンゴメリ「隣り合わせた男」 セイバイン・ベアリング=グールド「ジャン・ブション」 フランク・R・ストックトン「幽霊の転職」 フランク・R・ストックトン「幽霊つき物件」 レイモンド・マクドナルド・オールデン「銀の盾の騎士」 E・F・ベンスン「海賊ごっこ」
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わたしたちのさいたま国際芸術祭2023
¥550
コソガワカスミ 編『わたしたちのさいたま国際芸術祭2023』 埼玉に住む人10名による、鑑賞者目線のアンソロジー。芸術祭に行った方も、行かなかったけれどご関心のある方もぜひ。 プログラムに参加して不思議な体験をした方もいれば、個人的な風景を写真に収めたり、自分は「わたしたち」に含まれていない、と感じる方、市民サポーターのアーツナビゲーターとして参加した方、さまざまな視点から芸術祭を捉えます。 私深澤も、ダンスと演劇の公演を目的に二回、メイン会場である旧市民会館おおみやを訪れました。それぞれの日で展示されているものが変わっていたり、ステージや楽屋を通路から見られたりしました。 芸術祭のHPには『〝すべてを見ることができない芸術祭であること〞を積極的に仕掛けていきたい。(目 [mé])』という言葉がありました。見ることができないことによって「体験の固有性を裏付ける」。わたしたちのばらばらな経験をどれも肯定してくれるようでいいなーと思いつつ、そんなぼやっとしてていいんだっけ?とも思います。 こういう本があると、過去や他人の経験を経験し直すことができるようでありがたいですね。
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ホォルの新刊定期便 3000円コース
¥3,000
毎月1日、当店がセレクトした新刊をご自宅にお届けするサービスです。 2000円〜3000円相当の新刊書籍一冊と、店主の解説がセットとなっております。 こちらのコースでは、少々読書慣れ(あるいは読書飽き)しているお客様を想定して、珍しく、かつ読み応えのある本をセレクトします。普通の本屋では物足りない、ましてホォルなどという小さな本屋ではもっと物足りない!!というそこのあなた、ご安心ください。定期便で売れると分かっていれば、強気の仕入れができますから。 小説、美術書、漫画、エッセイ、哲学書、社会評論、どんな本が届くかはお楽しみです。ホォルに置いてありそうでなさそうな本が届く、と思っていただければと思います。 また、こちらはそれなりの金額をいただくコースなので、どんなものかちょっとお試ししていただいて、厳しめにジャッジしていただければと思います。解約もいつでも可能です。 毎月20日を新規申し込み締切日とし、その翌月1日から定期便を開始いたします。 *ちょっとお気軽1500円コースもご用意しております。 https://hoorubooks.thebase.in/items/50291926
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ホォルの新刊定期便 2000円コース
¥2,000
毎月1日、当店がセレクトした新刊をご自宅にお届けするサービスです。 1500円〜2000円相当の新刊書籍一冊と、店主の解説がセットとなっております。 8月に企画し、9月からこの定期便サービスを始めて半年が経ちました。1500円コースは1000〜1500円の本、3000円コースは2000〜3000円の本を各一冊、計二冊毎月選書しておりました。 様々な手段で本を調べるんですが、どんなにいい本でも、先ほどの価格帯に当てはまらなければ諦めざるを得ませんでした。具体的に言えば、1500円〜2000円の本ですね。ここが選べなかった。 そこで、このたび新たに枠組みを一つ増やし、この選び損ねていた良書たちをお客様に届けられるように致しました。 値段はそれほど高くなく、かつ読書慣れしていてもしていなくても読めるようなほどよさを、このコースでは目指せると思っています。 カレーでいえば中辛、松竹梅でいえば竹、スタバでいえばトールサイズ。人間、真ん中を選びがちです。でもそれでいいんです。足りなかったら上に行けばいいし、多いと感じたなら下もある。それに上下のいいとこ取りでもある。そんな優柔不断で欲張りなあなたにぴったりです!ぜひ! *もう少し読み応えのある一冊をお求めの方はこちら!3000円コースもご用意しております。 https://hoorubooks.thebase.in/items/50292896 *ちょっとお気軽。1500円コースもご用意しております。 https://hoorubooks.thebase.in/items/50291926
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ホォルの新刊定期便 1500円コース
¥1,500
毎月1日、当店がセレクトした新刊をご自宅にお届けするサービスです。 こちらのコースは1000円〜1500円相当の新刊書籍一冊と、店主の解説がセットとなっております。 本は読みたいけど、何から手を出して良いのかわからない、自分では選ばないジャンルの面白い本が読みたい、というお客さんにぴったりです。 小説、美術書、漫画、エッセイ、どんな本が届くかはお楽しみです。ホォルに置いてありそうな本が届く、と思っていただければ間違いないと思います。 また、こちらは軽めのコースなので、どんなものかちょっとお試し、というお気軽な気持ちでご購入いただければと思います。解約もいつでも可能です。 毎月20日を新規申し込み締切日とし、その翌月1日から定期便を開始いたします。 *読み応えのある一冊をお求めの方はこちら!3000円コースもご用意しております。 https://hoorubooks.thebase.in/items/50292896 *読み応えはまあまあ欲しいけど、程々がいいなあという方はこちら!2000円コース https://hoorubooks.thebase.in/items/58768632
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〈再入荷〉はやにえ日記/糸川乃衣
¥800
うちの近所にはモズがいる。 だけど、あれ? そういえば、「はやにえ」って一度も見たことがない。 ある日とつぜん、本当にとつぜん、思い至った。 早起きしてはやにえを探し、記録がてらにつぶやくのが、日課になった。 モズのはやにえを探して歩く日記と、そこから生まれた掌編や短編、エッセイが収められている。日記は覚え書きのような形で、Twitterに投稿されたものもあれば、手帳に日記のように綴られたものもある。 「はやにえは見つからなかったけど」、ジョウビタキやハクセキレイ、ホオジロ、フエラムネの音で鳴くカモ、といったさまざまな野鳥に出会ったり、いい感じの棒を見つけてもし自分が犬だったら、などと考えたりする。河原を歩くのでセンダングサもつく。 野鳥の観察にとどまらない、世情との向き合い方や小説を書くことについても考えさせられる一冊です。
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ふりょの星
¥1,870
以下、版元より 川柳のビッグバン! 川柳アンソロジー『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房)でも最年少柳人として紹介された、Z世代のトップランナーによるネオ川柳。 言葉を限りなく自由に操り、読んだ者を骨抜きにする、魅惑の250句。 意味深な無意味な言葉の羅列。読み終わる頃には、言葉を食べてお寿司を読みたくなるに違いない。 ──Dr.ハインリッヒ(芸人) 川柳を作るとき、私はさながら迷子センターのようです。 私のもとにやってきた言葉とすこしの時間だけお話して、送りだしてあげる。 誰もむかえにきていなくても。──「あとがき」より 〈収録句より〉 良い寿司は関節がよく曲がるんだ いけにえにフリルがあって恥ずかしい 県道のかたちになった犬がくる 観覧車を建てては崩すあたたかさ 銀色の曜日感覚かっこいい 寵愛を受けて現像液のなか ティーカッププードルにして救世主 賛意って子持ちししゃものことなのか たてまつる永遠のつきゆび 未来はきっと火がついたプリクラ コングラチュレーション 寝ない子 コングラチュレーション
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宇宙人のためのせんりゅう入門
¥1,980
以下、版元より Z世代の川柳人・暮田真名による初の〈現代川柳〉入門書。 ある日道で拾った宇宙人に「せんりゅう」と名付け、ふたりの奇妙な共同生活がはじまった——。現代川柳とは? どんな作品がある? どうやって発表する? 俳句とはどう違う? 川柳を作るとなにが起こる? 宇宙人との対話形式で、シュールなのになぜか胸が熱くなる、前代未聞の川柳入門。 「わたしは暮田真名。きみは今日から『せんりゅう』だ」 「せんりゅう?」 「そう、きみの名前はせんりゅうだよ」 (プロローグより)
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速く、ぐりこ!もっと速く!
¥1,980
以下、版元より 暮らしレーベル第6弾。 自己中心的な性格で、誰かのためにがんばることができなかった私も、書き続けたらこの世に何かを残すことができるだろうか。 ひとりじゃできないこと。それはセックスなんかじゃなくて、もっともっと私の存在の根幹にかかわること。 血迷ってマッチングアプリを始めた。よりによって、遊び目的の人間ばかりが集まっていると言われる一番チャラいやつ。自己紹介欄に何を書こうかなと考える。出会いを求めている男女が集う場でも、自分が、自立していてひとりでも幸せに生きていける女であるかのように取り繕った文章しか書けないのが笑える。自立していてひとりでも幸せに生きていける女が、なんでマッチングアプリなんか始めてるんだよ。(本文より) 【目次】 持続可能な生活と執筆 てこでも動かない 禁欲と強欲 欠陥品のまま 私が悲しいのは Everything ok for you 恋の遺影(Re Edit) 名前をつけてくれ ハローグッバイ 「普通」のおにぎり いなくならないで 人生、全部 あとがき 【著者略歴】 早乙女ぐりこ(さおとめ・ぐりこ) 日記とエッセイを書く人。一九八七年、東京都生まれ。『東京一人酒日記』などの自主製作本を発行しており、本書が商業出版デビュー作となる。
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大丈夫マン 藤岡拓太郎作品集
¥1,100
〈新刊〉大丈夫マン 藤岡拓太郎作品集 表紙からいきなり大丈夫じゃなさそうなおじさんが出てきます。1、2ページ完結の短い作品がほとんどなのですが、どの話の登場人物もどこか大丈夫じゃなさそう。見ず知らずの人をつかまえて語り始めたり、おでんを押し付けてきたり。そもそも大丈夫マン、人の不安や心配事を吸収して吐血してるし。 何も考えずに笑える漫画だなあと思っていたのですが、「わたし」という中盤に出てくる作品で考えが変わりました。この変な人たちは多分、それぞれの理屈で生きていてこっちのことなんかお構いなしなのかもしれない。それでも、体を張って「変なままでも大丈夫」というメッセージを伝えてくれているのかもしれない。そのままでいていいんだよと背中を押してくれている気がするのです。もしかしたら、そうじゃないのかもしれないけれど。 〈出版社より〉 デビュー作『夏がとまらない』はじめての絵本『たぷの里』の 藤岡拓太郎による最新コミック集! 『大丈夫マン 藤岡拓太郎作品集』 装丁:鈴木千佳子 判型:A5並製 100頁 発行:2021年1月 ISBN:978-4-86732-000-6 C0079 【プロフィール】藤岡拓太郎(ふじおか・たくたろう) 1989年大阪生まれ。ギャグ漫画家。2014年からTwitterやInstagramを中心に1ページ漫画を発表。笑いと映画と大相撲とラジオが好き。
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銭湯
¥1,760
SOLD OUT
以下、版元より 第4回ことばと新人賞受賞作!! 読む/書くを通して、人は自由にどこにでも行かれる。 言葉にはこんなことができるのだし、言葉にしかこんなことはできない。 見事な文章体力の、風通しのいいチャーミングな小説。 ーー江國香織(小説家) 呆れ返ること必至! 笑っちゃうこと不可避!! なのにグッときちゃうこの不思議!!! 新人はヘンテコなくらいがちょうどいい。 人間は少しダメなくらいがちょうどいい。 生き方はゆるいくらいがちょうどいい。 だから福田節郎の小説は、すごくいい。 ーー豊_由美(書評家)
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のりもので のみくい
¥825
うおのめとるこ「のりもので のみくい」 知らない土地を移動しながら食べるパンや牛乳はなぜあんなにおいしいんでしょうね。大福書林から刊行された『まちで出会ったかわいいあのこ』も好評の著者の、自主制作本です!
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ご自由にお持ちくださいを見つけるまで家に帰れない一日
¥1,980
パリッコ/スズキナオ(酒の穴)『ご自由にお持ちくださいを見つけるまで家に帰れない一日』STAND! BOOKS デイリーポータルZに連載した記事を厳選、全編加筆修正、全ページに「副音声」という、振り返り対談を追加収録!
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製本と編集者
¥1,320
笠井瑠美子 編集・構成 『製本と編集者』