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アフリカ文学講義 植民地文学から世界‐文学へ 著者 アラン・マバンク 訳者 中村隆之 訳者 福島亮
¥4,950
以下、版元より 2016年、フランスのコレージュ・ド・フランス芸術創造講座で行われた「アフリカにかんする8つの講義」。ヨーロッパ人の見たアフリカ史から説き起こし、植民地期、ポストコロニアル期、パリ郊外に住む移民が生んだ文学まで、1920年以後のブラック・アフリカ文学の全体像をわかりやすく、かつ「内戦と子ども兵」「ルワンダ・ジェノサイド以後に書くこと」など、文学を超え、現代史や思想、社会問題にも広がる視野をもつ類ない文学史である。 フランス語圏ブラック・アフリカの作家は、カリブ海やアメリカの黒人文学作家とパリでどのように出会い、みずからの文学を築き上げていったか。フランス文学という「国民文学」からも、アフリカ諸言語で執筆する正統的「国民文学」からも除外されてきた「フランス語圏文学」は、いかにしてグローバルな認識に立つフランス語表現文学として、「世界‐文学」に連なることができるのか。本書に盛り込まれた著者のメッセージは、1530年の創設以来、名だたる哲学者や文学者を迎えてきたフランスの知の殿堂で「アフリカ人」として初めて講義したこと自体の意味も併せ、今後の文学と世界を考えるひとつの指針となるだろう。 著者アラン・マバンクは1966年コンゴ共和国生まれ。『割れたグラス』『ヤマアラシの回想』はじめ、作家としてフランス語で多くの作品を発表し数々の賞も受賞、2006年以来カリフォルニア大学ロサンゼルス校で教えている。 日本ではほとんど知られていないアフリカ文学の歴史を知るために、世界文学の今後を考えるために、ここにおくる。
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Kaguya Planet vol.2 パレスチナ
¥1,650
Kaguya Booksより『Kaguya Planet vol.2 パレスチナ』入荷しました!「語りと報道の偏りに抗して」と題して、これまで日本にあまり届けられてこなかった、パレスチナのSFを紹介する特集が組まれています。特集以外にも小説、インタビュー、対談、イベントレポートなどの掲載も充実。 以下、版元より 語りと報道の偏りに抗して──。 2023年10月7日以降、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃が激化しています。 この攻撃は、決して10月7日に突然始まったものではなく、70年以上にわたる迫害と虐殺の歴史とひと続きの民族浄化です。そして、この惨状を招いてしまった責任の一端は、植民地主義や深刻な人権侵害をずっと見て見ぬふりしてきた国際社会にあります。 日本でSFに携わるメディアとして果たすべき責任は何か。そう考えて、これまで日本にあまり届けられてこなかった、パレスチナのSFを紹介する特集を組みました。 特集では、パレスチナ人作家、パレスチナにルーツのある作家による、パレスチナを舞台にした小説を掲載している他、編集部による解説やテーマに関連したコラムを掲載しています。 『Kaguya Planet vol.2 パレスチナ』コンテンツ ⚫︎小説 ズィヤード・ハッダーシュ「ここの外では」(佐藤祐朔訳) ソニア・スライマーン「ムニーラと月」(岸谷薄荷訳、佐藤まな監訳) タスニーム・アブータビーフ「継承の息吹」(岸谷薄荷訳、佐藤まな監訳) 牧野大寧「城南中学校生徒会役員選挙『カレーVSラーメン』」 ⚫︎コラム 井上彼方「SFとイスラエルとパレスチナ」 堀川夢「英語で読むパレスチナのSF」 齋藤隼飛「プレイヤーへの期待、その裏にあるキュレーターの責任」 鯨ヶ岬勇士「スーパーヒーローはどこにいるのか。それはあなたかもしれない。」 ⚫︎PICK UP 『野球SF傑作選 ベストナイン2024』 『SF作家はこう考える 創作世界の最前線をたずねて』 ⚫︎インタビュー 映画『カミノフデ 〜怪獣たちのいる島〜』総監督・村瀬継蔵&特撮監督・佐藤大介 インタビュー SF作家対談 天沢時生×水町綜「不良とバイクとSFと」 ⚫︎イベントレポート IMAGINARC 想像力の音楽 ⚫︎VGプラスの活動報告
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花びらとその他の不穏な物語
¥2,200
グアダルーペ・ネッテル著、宇野和美訳『花びらとその他の不穏な物語』 「すべての人間はモンスターであり、人間を美しくしているのは、私たちのモンスター性、他人の目から隠そうとしている部分なのです」(グアダルーペ・ネッテル) 現代メキシコを代表する作家グアダルーペ・ネッテルの世界観全開の短編小説集。 まぶたの整形手術の術前・術後の写真撮影を仕事とする、まぶたに執着せずにいられない男(「眼瞼下垂」)。ほんのわずかなブラインドの隙間から通りを隔てた向こうに住む男性を覗き見ては妄想にふけることをやめられない女(「ブラインド越しに」)。自分をサボテンに同化させたうえに妻をつる植物に見立て、家庭崩壊に突き進む男(「盆栽」)。〈ほんものの孤独〉を探し求め、離島で一夏を過ごす少女(「桟橋の向こう側」)。女性トイレに「痕跡」を発見し、その主を探し求める男(「花びら」)。髪を抜く癖に取り憑かれ生活も精神も崩壊し、出口の見えない状態で病院で療養している女の手記(「ベゾアール石」)。 作品の舞台は、パリ、メキシコシティ、東京、ヨーロッパの架空都市。 他人には言えない習慣、強烈なる思い込み、密かな愉しみ、奇妙な癖を手放せない、あまりに個性的な人物が躍動します。 『赤い魚の夫婦』(2021年刊行)で一躍注目を集めたグアダルーペ・ネッテル。本作でも確かな筆致で読者を作品世界に引きずりこみます。 [収録作] 眼瞼下垂 ブラインド越しに 盆栽 桟橋の向こう側 花びら ベゾアール石 【著者・訳者紹介】 グアダルーペ・ネッテル Guadalupe Nettel 1973年、メキシコ生まれの作家。メキシコとフランスを行き来して育つ。フェミニズムとジェンダーをテーマとした創作に取り組み、2008年にアンナ・ゼーガース賞受賞、2013年に第三回リベラ・デル・ドゥエロ国際短編小説賞、2014年にはエラルデ文学賞を受賞するなど国際的に高い評価を受け、海外では毎年のように「今年のベスト10」に取り上げられる。初邦訳『赤い魚の夫婦』が、2022年第八回日本翻訳大賞最終選考作品に。 宇野和美(うの・かずみ) 東京外国語大学スペイン語科卒。出版社勤務を経てスペイン語圏の本の翻訳に携わる。バルセロナ自治大学大学院修士課程修了。訳書『ちっちゃいさん』(講談社)、『きらめく共和国』(東京創元社)、『見知らぬ友』(福音館書店)など多数。『赤い魚の夫婦』が、第八回日本翻訳大賞最終選考作品に。
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赤い魚の夫婦
¥2,200
SOLD OUT
グアダルーペ・ネッテル著、宇野和美訳『赤い魚の夫婦』(現代書館) 星野智幸さんのコメント 「メキシコにすごい才能がいた! ネッテルのフェミニズムは、人間と他の生物の線引きさえ揺るがしてしまう。魚や虫や猫や菌類や蛇と、人間との境が曖昧になっていく作品群は、鳥肌が立つほど怖いのに、とてつもない解放感を与えてくれる。」 第3回リベラ・デル・ドゥエロ国際短編小説賞受賞作。 メキシコの作家が贈る人間とペットにまつわるちょっと不思議な物語。 初めての子の出産を迎えるパリの夫婦と真っ赤な観賞魚ベタ、メキシコシティの閑静な住宅街の伯母の家に預けられた少年とゴキブリ、飼っている牝猫と時を同じくして妊娠する女子学生、不倫関係に陥った二人のバイオリニストと菌類、パリ在住の中国生まれの劇作家と蛇……。 メキシコシティ、パリ、コペンハーゲンを舞台に、夫婦、親になること、社会格差、妊娠、浮気などをめぐる登場人物たちの微細な心の揺れや、理性や意識の鎧の下にある密やかな部分が、人間とともにいる生き物を介してあぶりだされる。 [収録作] 赤い魚の夫婦 ゴミ箱の中の戦争 牝猫 菌類 北京の蛇 2014年にはエラルデ文学賞を受賞するなど国際的に高い評価を受け、海外では毎年のように「今年のベスト10」に取り上げられる実力派作家グアダルーペ・ネッテルの傑作短編集、待望の日本語訳です。 【著者紹介】 グアダルーペ・ネッテル Guadalupe Nettel 1973年メキシコシティ生まれの、現代メキシコを代表する女性作家。2006年に小説『宿主(El huesped)』が、スペインのアナグラマ社主催のエラルデ小説賞の最終候補になり、翌2007年にはヘイ・フェスティバルとボゴタ市が選ぶ〈ボゴタ39〉、39歳以下の期待のラテンアメリカ作家39人に選出される。2013年に本書『赤い魚の夫婦』でリベラ・デル・ドゥエロ国際短編小説賞を、2014年に小説『冬のあとで(Depues del invierno)』でエラルデ小説賞を受賞。2017年よりメキシコ国立自治大学発行の「メキシコ大学雑誌(Revista de la universidad de Mexico )」の編集長を務める。最新作は2020年刊行の小説『ひとり娘(La hija unica)』。作品は英語をはじめ、十数か国語に翻訳されている。 宇野和美(うの・かずみ) 東京外国語大学スペイン語学科卒業。出版社勤務を経てスペイン語翻訳に携わる。東京外国語大学講師。主な訳書に、ハビエル・セルカス『サラミスの兵士たち』(河出書房新社)、アンドレス・バルバ『きらめく共和国』(東京創元社)、マリア・ヘッセ『わたしはフリーダ・カーロ』(花伝社)、コンチャ・ロペス=ナルバエス『太陽と月の大地』、マルセロ・ビルマへール『見知らぬ友』(以上、福音館書店)、プランテル・グループ『民主主義は誰のもの?』『独裁政治とは?』『社会格差はどこから?』『女と男のちがいって?』(以上、あかね書房)などがある。
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サメと救世主
¥2,640
以下、版元より サメに救われた少年には奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、ただのイカサマか? ハワイで生まれ育った注目の作家によるデビュー長編!
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GREEK TO ME
¥2,640
SOLD OUT
以下、版元より 知的好奇心が人生を決める。 この人の場合、対象はギリシャ語だった。 ぼくも同じ道を歩いたから喜びがよくわかる。 ──池澤夏樹 伝統ある雑誌「ニューヨーカー」で24年間にわたり校正係を勤めた“カンマの女王”こと、メアリ・ノリス。 彼女が生涯をかけて愛してきたギリシャ語、ギリシャ神話、ギリシャのすべてについて、 あふれる愛とともに語ります。 オハイオ州の田舎に生れ、語学なんて苦行だとしか思っていない消防士の父のもとで育ったノリス。 ラテン語を学ばせてもらえなかったことから始まった彼女のギリシャ語との出会いは、 ある日偶然モンティ・パイソンがギリシャ神話をネタにした映画を見て、 ふとギリシャにゆきたいと思ったこと。 上司で大のギリシャびいきのエドに導かれ、ギリシャ語の世界に身も心も夢中になって──。 女神アテナに自分をなぞらえた学生時代のこと。初めてのギリシャ旅行のこと。 ギリシャ悲劇を通じて、母との関係を見つめ直せたこと。 コンプレックスだった自分の容姿の話題からも自由になれたこと。 憧れの作家に会いに行ったこと。 アルファベット順の歴史、ギリシャ文字の英語読みとかのウェブスターの関係、 ギリシャ由来の英語のあれこれなどなど、十分すぎる語学蘊蓄とともに描く、 全語学好き、ギリシャ好き、英語好きに送る、一気読み必至の名エッセイ! [「It's Greek to me.」=「(ギリシャ語みたいに)ちんぷんかんぷん」という意味の英語の慣用句]
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セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点
¥2,420
SOLD OUT
セシリア・ワトソン著、萩澤大輝・倉林秀男訳『セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』 以下、版元より この小さな記号の歴史を知っていますか? 英文法の世界でいくたびも論争を巻き起こしてきた記号「セミコロン」。 ・英文法家たちの仁義なき論争 ・セミコロンのせいで酒も飲めない? ボストン中が大騒動に。 ・終身刑か死刑か、句読点が生死を分かつ。 ・句読点の使い方を指摘され、校正者にブチ切れるマーク・トウェイン ・難解すぎてまったく売れなかった『白鯨』における大量のセミコロン etc. 小さなトラブルメーカーが巻き起こす波乱万丈の文化史!
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結晶するプリズム 翻訳クィアSFアンソロジー
¥2,200
『結晶するプリズム 翻訳クィアSFアンソロジー』 以下、版元より アジア・アフリカ・北米・カリブ海・ヨーロッパ、世界の5つの地域から集めた選りすぐりのクィア短編小説を収録したSFアンソロジー! アセクシュアルでデミロマンティックの狼男の物語、自らが同性愛者であることに気がついていく島国の王子の物語、父権制社会を打倒しようと立ち上がるレジスタンスたちの物語、植物に憧れる植物学者を通してジェンダーユーフォリアを描いた物語、体の自由に体に浮き上がる模様によって物語を語り継ぐツースピリットの物語、多様な5編のクィアなSF短編小説をお楽しみください。 目次 「パーティトーク」 著:ジェニー・カッツォーラ 訳:岸谷薄荷 「鰐の王子さま」 著:イン・イーシェン 訳:紅坂紫 「ガラスの天井(トワティアンヴェア)」 著:ナディア・ションヴィル 訳:善本知香 「夕焼けのブルース」 著:ワニニ・キメミア 訳:村上さつき 「ANDW?NIK?DJIGAN(アンドワニカドジガン)」 著:ゲイブ・アタグウェウィヌ・カルデロン 訳:吉田育未 あとがき 編者・翻訳者らプロフィール 編者 井上彼方 VGプラス合同会社。オンラインSF誌 kaguya Planet のコーディネーター。編書『SFアンソロジー 新月/朧木果樹園の軌跡』(Kaguya Books/社会評論社)、『社会・からだ・私についてフェミニズムと考える本』(社会評論社)など。 紅坂紫 創作・英日翻訳・企画編集など幅広く文芸活動を行う。 New World Writing などの海外文芸誌や 『オフショア』創刊号に創作を寄稿。Kaguya Planet や anon press、同人誌で「まめやかな娘「それは今日も星を眺めて」など掌編小説を中心に翻訳を発表。パンロマンティック、 パンセクシャル。
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チェヴェングール
¥4,950
アンドレイ・プラトーノフ著、工藤順・石井優貴訳『チェヴェングール』 以下、版元より 愛と憂鬱の〈ユートピア〉。ロシア文学の肥沃な森に残された最後の傑作、本邦初訳。 革命後に生の意味を問いつづける孤高の魂。「翻訳不可能」といわれた20世紀小説の最高峰のひとつが、〈ロシア的憂愁(タスカー)〉の霧の中からついに全貌を現した!——沼野恭子 わたしもプラトーノフのようになれたら——ピエル・パオロ・パゾリーニ(映画監督・詩人) 20世紀には、重要な作家が3人いた——ベケット、カフカ、そしてプラトーノフだ——スラヴォイ・ジジェク(哲学者) 死への興味が嵩じて湖に自ら身を投げだした父親の息子アレクサンドル(サーシャ)は、ドヴァーノフ夫妻に引き取られて生活するようになり、やがて、ボリシェヴィキとして、彼の同伴者であり親友のコピョンキンとともに共産主義を探して県域を放浪し、共産主義が完成した理想郷チェヴェングールを見出す——。 「もっとも謎めいて、もっとも正統的でないロシア作家」とも称されるプラトーノフの代表作にして生前に完成した唯一の長篇小説。ロシア文学の肥沃な森に残された最後の傑作、本邦初訳。 「『チェヴェングール』は、[……]世界史的な規模のインパクトをもった第一次世界大戦やロシア革命を念頭におきながら、現実を逆転させたような事柄を描いた挿話に溢れている。それらを通して〈あるいはそうであったかもしれないロシア革命〉が描き出されている。」(本書「解説」より) ◎解説=古川哲「あるいはそうであったかもしれないロシア革命」 ◎付録=P・P・パゾリーニ「アンドレイ・プラトーノフの『チェヴェングール』」+関連地図+主な登場人物
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翻訳編吟12
¥500
SOLD OUT
翻訳編吟12のご予約を承ります! 目次 「事前従犯」ブラックウッド 「バルコニーの麗人」ロバート・バー 「狂ったコンパス」アルフレッド・コルベック 「ウィリアム・タヴェナーの心情」ウィラ・キャザー 「遅れてきた会葬者」ジュリアス・ロング 「麗しきお化けたち」トマス・バーク 「ブラー&ポディントン協定」ストックトン 「ライオンを巡る冒険」ブラックウッド
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インディアナ、インディアナ
¥2,310
SOLD OUT
レアード・ハント/柴田元幸訳『インディアナ、インディアナ』(twililight) 以下、版元より 哀しみを抱えるすべての人へ。 2006年刊行の「とても美しい小説」を復刊しました。 -- “切れぎれの回想、現在のノアの心理、オーパルからの手紙、ノアの父ヴァージルや母ルービーをめぐる一連の奇妙な逸話…。 事実は見えなくても、ノアの胸に満ちる強い喪失感は、一ページ目からはっきり伝わってくる。その静かな哀しみが、ノアと猫たちとのどこかとぼけたやりとりや、ノアの父親ヴァージルのやたらと衒学的な物言いなどから浮かび上がる淡いユーモアと絶妙に混じりあい、それらすべてが、文章教室的規範から逸脱することを恐れない自在の文章で語られることによって、この作品を、昨今の小説には稀な、とても美しい小説にしている” (訳者・柴田元幸) 「いとしいノア あなたに花をおくります。 本物の花みたいなのよ、だって水をやらないといけないんだもの。 あなたは何をしているの?いとしいノア、 またみられたらいいなとおもっています、あの夢がまたみられたらと。 元気で オーパル」 -- タイトル:『インディアナ、インディアナ』 著者:レアード・ハント 訳者:柴田元幸 装幀&装画: 横山雄 ISBN:978-4-9912851-1-0 判型:188mm × 127mm 仮フランス装 ページ数:256ページ 本体価格:2,100円 発行:ignition gallery 発行所:twililight 刊行日:2023年3月2日
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仮面の陰に あるいは女の力
¥2,970
SOLD OUT
ルイザ・メイ・オルコット、大串尚代訳『仮面の陰に あるいは女の力』(幻戯書房) 内容もさることながら、訳者の解題も素晴らしいです。『若草物語』に登場する、オルコットの分身と言っても良いであろうジョーは、この『仮面の陰に』が分類される「扇情小説」を書いていた時期があった。お金のためとはいえのめり込む様子からきっぱりやめる様子まで描かれる。これに触れて、扇情小説を書いていた理由が、果たして金銭のためだけだったのだろうか、という問いを立て、作家像に迫ります。 以下、出版社より あの『若草物語』の作者オルコットが扇情小説を書いていた?! なぜオルコットは、A. M. バーナードという男性作家名義で、 かくも扇情的な小説作品群をいくつも発表していたのか? 英国の名家でガヴァネスが惹き起こす、19世紀米国大衆〈スリラー〉小説。