舞踏(BUTOH)大全:暗黒と光の王国
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原田広美『舞踏(BUTOH)大全:暗黒と光の王国
』(現代書館)
土方巽の「暗黒舞踏」に始まり、世界を震撼させた舞踏45年の歴史と記念碑的名舞台が、いま、蘇る。主要60団体・個人を豊富な資料、インタビュー、秘蔵ビデオ、舞台分析を含め、160点の写真と1200枚の原稿で追う。舞台鑑賞のハンドブックとしても最適!!
[著者紹介・編集担当者より]
原稿1200枚、写真150点。舞踏家のインタビュー・舞台の観賞を含め、これだけの舞踏大全はかつて出版されていない。60年代から21世紀まで本書によって舞踏の全貌が明らかになる。舞踏は亡びておりません。若者の身体表現として定着しています。(日)
【目次】
はじめに
第一章 「暗黒舞踏」の成立
土方 巽 ◆Tatsumi Hijikata
「暗黒舞踏」の創始者、土方巽
アンチ・キリスト性と、土方巽の暗黒
▼『禁色』と男色 ▼『バラ色ダンス──A LA MAISON DE M. CIVEAWA(澁澤さんの家の方へ)』と『あんま──愛慾を支える劇場の話』 ▼『土方巽と日本人──肉体の叛乱』
60年代の暗黒と、「危機に立つ肉体」
▼『禁色』まで──マイムとアルトー ▼身体の硬直と、「命がけで突っ立った死体」
70年代以降の暗黒と、衰弱体の採集
▼東北と幼年期、「暗黒」と「闇」 ▼衰弱体の採集
『四季のための二十七晩』以降と、「姉」
▼『四季のための二十七晩』への始動 ▼女性ダンサー達と姉
▼『四季のための二十七晩』──「疱瘡譚」 ▼衰弱体とエロス
▼『四季のための二十七晩』──「すさめ玉」から「ギバサン」までの四作品 ▼メタモルフォーゼと舞踏譜
土方「暗黒舞踏」の振付けの頂点
▼「白桃房」の始まりと、芦川羊子 ▼76年『ひとがた』──芦川羊子の瘡蓋姫 ▼最後の作品『東北歌舞伎計画4』
大野一雄 ◆ Kazuo Ohno
奇跡のダンサー、大野一雄
大野一雄の復活『ラ・アルヘンチーナ頌』
舞踏ファーザー
クリスチャン、ユダ、宇宙心
即興舞踏の系譜
第二章 「暗黒舞踏」創始期から活躍するダンサー達
元藤子 ◆ Akiko Motofuji
土方巽との出会いと『禁色』
土方巽との60年代
──アヴァンギャルドの母として
舞台活動の再開──レダの化身として
大野慶人 ◆ Yoshito Ohno
共演者として、演出家として
最近の大野慶人と、
『ドリアングレイの最後の肖像』
高井富子 ◆ Tomiko Takai
60年代『形而情學』と『まんだら屋敷』
『形而情學』の再開から、海外の舞台まで
石井満隆 ◆ Mitsutaka Ishii
ジュネの舞踏──梨頭の天才論
『舞踏市』から渡欧まで
──初めて海外に進出した舞踏家
渡欧から帰国まで──鳥人伝説
舞踏療法と即興の精神──絶望から希望を
笠井 叡 ◆
「天使館」主宰 Akira Kasai (TENSHIKAN)
舞踊神と舞踏──笠井叡の根源を探る
精霊舞踏という発想──肉体の位階
精霊舞踏──呼気と吸気の狂気
オイリュトミーから、
94年『セラフィータ』以降
中嶋 夏 ◆
「霧笛舎」主宰 Natsu Nakajima(MUTEKISHA)
「同志の舞踏」から「霧笛舎」へ
障害者と健常者のワークショップ、
そして「暗黒舞踏」
玉野黄市 ◆
「哈爾賓派」主宰 Koichi Tamano(HARUPIN-HA)
東洋の怪獣、サンフランシスコへ
大平洋を股にかけての活躍
──ガニ股のニジンスキー
第三章 「大駱駝艦」70年代からの台頭と現在
「大駱駝艦」◆
主宰=麿赤兒 DAIRAKUDAKAN by Akaji Maro
舞踏・第二世代の筆頭グループ「大駱駝艦」
──アングラ演劇の混沌を含んだ新しい出発
「天賦典式」──儀式性と、
「特権的肉体」のコンプレックス論
「日常行為」に抹殺された「身ぶり」の採集
──スサブモノと野口体操
初期の代表作──『金魂鳥亞レシアン島八咫』
『陽物神譚』『皇大睾丸』他
▼『金魂鳥亞レシアン島八咫』(『馬頭記』)──新しい祝祭と戦後の心象風景 ▼『陽物神譚』──土方巽の共演、もう一つの大戦の記憶
80年代の「大駱駝艦」を支えたもの
▼豊玉伽藍「十二の光シリーズ」と京都の野外特設伽藍 ▼『五輪の書』──「舞踏フェスティバル'85」 ▼『怪談・海印の馬』──肉体の饗宴から芸能の系譜まで
90年代以降の新生「大駱駝艦」
▼『雨月〜昇天する地獄』──二十周年記念特別「天賦典式」 ▼『死者の書'96』──麿赤兒の特権的「死者の書」 ▼『流婆』──エロスの饗宴とオリュウノオバ ▼『幽契』──麿赤兒vs.若手のダンサー達 ▼『完全なる人人』──「マトリックス」とネクロフェリア・タンゴ ▼『泥芸者』──三十周年記念「天賦典式」
虎の穴「大駱駝艦」の現在とこれから
──N.Y.にも飛火する「壺中天公演」
第四章 80年代のパリに本拠地を築いた最初のグループ
「アリアドーネの会」◆
主宰=カルロッタ池田 Comp. メARIADONEモ by Kallotta Ikeda
パリ公演を成功させた最初のグループ
『ツァラトゥストラ』の旋風、ヨーロッパに上陸
──二三五ステージの快挙
ソロ作品『うっ』の衝撃と、『非女』
その後、ソロ『小さ子』、デュオ『アィ・アムゥる』、
多国籍混成『春の祭典』他
室伏 鴻(&草薙うらら) ◆
Ko Murobushi & Urara Kusanagi
Edge(エッジ)に立つダンサー
「山海塾」◆
主宰=天児牛大 SANKAIJUKU by Ushio Amagatsu
世界的BUTOHグループ「山海塾」
──パリ市立劇場を本拠地として
「山海塾」の身体性
──重力との対話と瞑想的世界
「山海塾」の初期の舞台とこれまで
▼天児牛大の心象風景『金柑少年』 ▼凱旋帰国公演『縄文頌・』
『卵を立てることから──卵熱』
──繰り返されるワールドツアー
『闇に沈む静寂──しじま』から、二一世紀の最新作
『仮想の庭──うつり』までの変遷
▼88年初演『闇に沈む静寂──しじま』 ▼93年初演『常に揺れている場の中で──ゆらぎ』 ▼95年初演『ゆるやかな振動と動揺のうちに──ひよめき』 ▼98年初演『遙か彼方からの──ひびき』 ▼2000年初演『かがみの隠喩の彼方へ──かげみ』 ▼21世紀の最新作『仮想の庭──うつり』
第五章 土方巽、大野一雄、石井満隆、笠井叡に師事したダンサー達
◆土方巽系 The line of Hijikata◆
小林嵯峨 ◆
和栗由紀夫 ◆ 「和栗由紀夫+好善社」主宰
山本 萌 ◆
三上賀代 ◆
「とりふね舞踏舎」 主宰=三上宥起夫
◆大野一雄系 The line of Ohno◆
武内靖彦 ◆ Yasuhiko Takeuchi
上杉貢代 ◆ Mitsuyo Uesugi
秀島 実 ◆ Minoru Hideshima
◆笠井叡系 The line of Kasai◆
山田せつ子 ◆ 「枇杷系」主宰
大森政秀 ◆ 「天狼星堂」主宰
杉田丈作 ◆ 「舞踏石研究所」主宰
◆石井満隆系 The line of Ishii◆
岩下 徹 ◆ Toru Iwashita
第六章 80年代、舞踏の系譜の外からの挑戦
田中 泯 ◆
五井 輝 ◆ Teru Goi
岩名雅記 ◆ Masaki Iwana
第七章 地方に本拠地を築いたグループとダンサー達
◆「北方舞踏派」系 The line of HOPPOH BUTOH-HA◆
ビショップ山田 ◆
雪 雄子 ◆ Yuko Yuki
栗太郎 ◆
竹の内淳 ◆
◆「白虎社」系 The line of BYAKKO-SHA◆
大須賀勇 ◆
桂 勘 ◆ 「桂勘&サルタンバンク」主宰
◆「山海塾」系 The line of SANKAIJUKU◆
滑川五郎 ◆ Goro Namerikawa
第八章 拡散する舞踏1
田村哲郎 ◆
「舞踏舎 天鷄」◆
UNO─MAN(宇野萬) ◆
Rosaゆき ◆ 「SUB ROSA」主宰 Rosa Yuki (SUB ROSA)
イシデタクヤと、other dancers ◆ Takuya Ishide & other dancers
第九章 拡散する舞踏2
(海外を本拠地にしたダンサー達)
古川あんず ◆
ミゼール花岡 ◆
古関すまこ ◆ Sumako Koseki 日仏を本拠地に
第十章 拡散する舞踏3
(若い世代の試みと、コンテンポラリー・ダンスとの融合)
「大豆鼓ファーム」◆
「サルバニラ」◆
「赤色彗星館」◆
「東雲舞踏」◆
「枇杷系」◆
丹野賢一 ◆
山崎広太 ◆
伊藤キム ◆
◆Other Dancers◆
由良部正美 ◆ Masami Yurabe/「舞踏派ZERO」 ◆ 楠田健人&筆宝ふみえ BUTOH-HA ZERO by Kenjin Kusuda & Fumie Hippo/ゆみ うみうまれ ◆ Umiumare Yumi/細田麻央 ◆ Mao Hosoda/「千日前青空ダンス倶楽部」 ◆ 主宰=紅玉 SENNICHIMAE Aozora DANCE CLUB by Benidama/池田ユリヤ ◆ Yuriya Ikeda/大倉摩矢子 ◆ Mayako Ohkura/「ささらほうさら」 ◆ 主宰=安田理英 SASARAHOUSARA by Rie Yasuda
終わりに
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