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会議室

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「冷蔵文庫」としても活動されているぽんさんの、3〜4年分撮り溜めた写真をランダムにまとめた、写真集のようなZINE。街中にあるツッコミどころのある風景に一言添えて面白がるという、ゆるいような、クリティカルなような本です。いわゆる路上観察ですね。世界は面白いことで満ちているし、なんならその辺に落ちてたり転がってるということを気づかせてくれます。

観察される対象(例えば筍のためだけにさされた傘や「パンク 休ませて下さい」と書き置きされた荷車など)は、やはり誰かの意図によって作られている。作った当人は至って真面目に、人を笑わそうなんて少しも思わず行動していることだろう。しかし、当人が真面目でも、どこかズレていたり、意図しない解釈をされたりする。ぽんさんの写真と言葉は、そのおかしみを私達に伝える。それは真面目な者を嘲笑しているのでは決してなく、平坦に見える世界に起伏を発見する営みなのだ。路上観察は観察者の解釈の世界である。

あるいはまた、伸び放題の雑草に囲まれたブランコのように、自然が風景を作り出す場合もある。人間は快適な生活が送れるように環境を整える生き物だ。樹木を切り倒し、橋を架け、道を舗装し、建物を拵える。毎日をつつがなく、昨日と今日で違うところがないように社会を運営していく。しかし、自然というものは依然存在していて、私たちのそんな努力を嘲笑うかのように災害を起こし、あるいは風化させ、環境を遷移させる。ブランコの周りに生えた雑草は私達にその一端を見せつけている。お前らの意図なんざ知らんと。ぽんさんはそこに「試練」とコメントしている。まさに人間に与えられた試練の縮図である。除草作業という人類の叡智からはみ出してしまったこの深い雑草の中を、朝露や虫けらに塗れながら進む勇気はあるかと、私たちは問われている。

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