雲煙模糊漫画集 居心地のわるい泡
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平田基『雲煙模糊漫画集 居心地のわるい泡』さりげなく、2022年
京都の出版社、さりげなくより新刊です。毎回スタイルもジャンルも違う本を出版されるので、今回はどんなのが届くのだろうと待ち遠しかったのですが、函入りの漫画が届きました。それも画家による、鉛筆画の。
森が信号待ちをしていたり、石で石を買って食べたり、不思議な話が詰まっているように見えるが、どこかリアリティがあるように思える。それは私たちの生きる現実に通じるものがある、という程度ではなく、どこか詩情をたたえていて、するりとこちらに忍び込んでくる。それはこちらの顔を見ず隣り合う人が、一人語るよもやま話を聞いているかのようでもある。親しげで、硬質。背景も人物も、同一の材料、つまり黒鉛で描かれるからだろうか。
「あなたが今朝お飲みになった水を構成する水素と酸素はかつて/よその国をこえた海であり/はるか昔にトマトをぬらした夜露であり/誰かの唾液だったかもしれない」
漫画を構成する紙も、鉛筆の線も、物語の内容も、いつか私と一体になるのかもしれないし、かつて自分の一部だったのかもしれない。長い長い時間に思いを馳せる事ができる作品である。
以下、版元より
鉛筆で描かれる、線、線、線。
生き物のはなし、人間の営み、
どこか別の世界線か私たちと同じ地平線か。
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14編の物語と散文。
著者 平田基
装丁 浦川彰太
編集 稲垣佳乃子
印刷 藤原印刷
発行 さりげなく
2022年10月1日 発行
価格 2000円(税別)
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